EIGRPの複合メトリック計算方法
ダイナミックルーティングには、RIP、EIGRP、OSPF、IS_IS、BGPなど多くの種類があります。
ここでは、EIGRPの複合メトリックの計算方法について解説します。
※EIGRPとは、シスコ独自のダイナミックルーティングプロトコルで、ディスタンスペクタ型とリンクステート型の両方の利点を兼ね備えたハイブリッド型ルーティングプロトコルと言われています。。
計算式(公式全体)
まずは、全体の計算式を見てみましょう。
$$ メトリック = 256\times{\left\lbrace{({K1}\times{帯域幅}) + \frac{{K2}\times{帯域幅}}{ ~~~256~ – 負荷~~~~~ } + ({K3}\times{遅延})}\times{\frac{K5}{信頼性 + K4}}\right\rbrace} $$
K1 : 帯域幅 (bandwidth)
K2 : 負荷 (load)
K3 : 遅延 (delay)
K4 : 信頼性 (reliability)
K5 : MTU (最大伝送ユニット)
※K値はCatalystの場合、「show ip protocols」で確認することができます。
計算式(K値=デフォルト)
K値がデフォルトの場合 (K1=1, K2=0, K3=1, K4=0, K5=0)
K値はほとんどの場合がデフォルト値
負荷（txload, rxload）、信頼性（reliability）も同様に、「show interface」コマンドで確認できます。ただし、これらの値は、通信や回線状況により動的に変化する値です。EIGRPのルーティングで、通信状況により、ルートが変更されるのは好ましくないため、通常これらの値をメトリックとして使用することはほとんどありません。
$$ メトリック = 帯域幅 + 遅延 $$
帯域幅と遅延は下記の様にスケーリングして計算する点に注意が必要です。
$$ 帯域幅 = \frac{10,000}{最小帯域幅(Mbps)}\times{256} $$
$$ 遅延 = \frac{遅延値の合計}{10}\times{256} $$
帯域幅・遅延の値については、Catalystであれば多くの場合 「#show interfaces GigabitEthernet x/x/x」等のコマンドで確認できるでしょう。
すなわち、実際の計算式は、
$$ メトリック = \left(\frac{10,000}{最小帯域幅} + \frac{遅延値の合計}{10}\right)\times{256} $$
となります。
複合メトリック計算ツール
EIGRPの複合メトリック値の計算ツールです。
パラメータを入力することで、想定されるメトリック値になっているか確認することができます。