創業家と対立したパナソニックと創業家が自滅したソニー~創業家が退場し普通の企業になったのか(1)

創業家の問題は極めて重要だ~日本経済が停滞している大きな原因の一つ

未来を予測する指針
  • 株価が明日上がるか下がるかは誰にも予測できないが、過去と現在の情報で中長期的に方向性を示す。
  • 今知りうる情報は全員が知っており、これから出る情報も証券アナリストや機関投資家達がいち早く手に入れる。したがって今後の展開の創造力を働かせた予測に重点を置く。
  • 現在価値と予測した将来の価値に差がある会社に着目する。
  • 将来社会を変える可能性があると思う技術に着目する。
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日本の企業の創業家との関わり方~これが企業の行く末を左右する

世間一般には創業家が経営にかかわるという事は同族経営とみなされ前近代的であり百害あって一利なしと見ている方が圧倒的に多いのではないだろうか。
確かに創業者の子供が会社をだめにしたり創業家家族と経営側が対立したりというケースは多々あるが、経営側が創業家とうまく付き合い、また創業家も賢く振る舞い良い距離感を保つ限り、非常に永続性のある優れた企業になると思っている
創業家が退場しサラリーマン社長が続いていく企業に長期にわたる飛躍はないとすら思っている。
なぜなら経営側が決算を最優先するからだ。不採算事業の売却や人員整理で決算をよく見せようとするからだ。経営陣が自己保身のための人事を行ったり経営陣に確執が起こったりするからだ。
そして反対を押し切るような将来への大きな投資や事業買収の決断ができない。その良い例として事業決定の先送りの悪しき前例は半導体産業だ。

弱い企業が集まってエルピーダメモリー(1999年設立のNEC日立メモリに三菱電機が合流したDRAM専業メーカーで2012年倒産、マイクロン・テクノロジーに買収された)やルネサステクノロジー(2002年日立はDRAM以外の半導体部門を切り離し三菱電機の半導体部門と統合、後にNECの半導体部門も加わった)を作っても遅きに失しては何もならない。両社設立までの経緯を見ていると状況に応じて決定している様子がありありで、将来のためやり遂げるとか反対を押し切って何かを決定したような様子は全く見えてこない。
残念ながら日本の企業社長には長期を見据えて周囲が反対してもやり抜く大胆な決断がなかなか出来ない。それが可能なのが所有と経営が一致している創業家統治企業。(もしくは所有すれど経営は専門の経営者に任せている創業家で「所有と経営の分離」が敷かれている企業)
創業家の知恵で経営陣と良好な関係を保つ企業はよい緊張状態で永続性が見える。経営陣が創業家と対立するとほぼ間違いなく衰退混乱が始まってしまう。
以下の表は創業者がCEOを退いた企業の現在を列挙してみたが当然これ以上存在する。
表が大きくなりすぎるので創業家や子孫がまだ役員やCEOにとどまっていたり最近まで影響力を持っていた企業を簡略に列記したものも掲載してみた。

  • ソフトバンクグループ(創業者CEO)、
  • セブン&アイ・ホールディングス(創業家役員で大政奉還も可能性あり)、
  • 日本電産(創業者永守会長兼CEO)、
  • ファーストリテイリング(創業者柳井社長)、
  • スズキ(養子の祖父、養子の父からの4代目社長)、
  • 京セラ(娘3人で世襲せずも創業家持分7.3%)、
  • 中外製薬(娘婿で創業家一族永山氏ロシュ傘下決断2020年会長退任)、
  • ニトリホールディングス(創業者似鳥氏代表権ある会長)、
  • 楽天(創業者三木谷社長)、
  • セコム(創業家娘婿尾関社長)、
  • 塩野義製薬(2008年創業家以外初のプロパー社長が指名され誕生し現在に至る)、
  • ユニ・チャーム(創業家長男高原社長)、
  • イオン(創業家長男岡田社長)、
  • 鹿島(創業本家と分家3家の確執あり影響力持ち続けた鹿島昭一氏2020年死去)、
  • 竹中工務店(2013年400年の歴史初めて創業家以外の社長が指名されるが役員に多数創業家メンバー)、
  • 出光興産(昭和シェル石油との合弁で創業家と対立し大政奉還もならず)、
  • ヤマト運輸(2015年創業者長男が放逐され資本関係も無くなる)、
  • カルビー(2005年初めて創業家以外の社長指名し以後専門の企業経営者がCEO)、
  • 任天堂(2002年中興の祖山内溥社長は創業家ではなく専門の企業経営者指名)など様々ある。
  • 堀場製作所(2代目堀場厚氏が会長兼社長3代目堀場弾氏常務執行役員)
  • ヤンマー(創業家山岡家統治の非上場会社で創業家一族の山岡健人氏が会長兼社長を務める)
  • YKK(創業家統治の非上場会社で2011年創業家以外から初の社長を出すが会長は創業家吉田忠裕氏)

これらの企業も今までのような元気がないな、ちょっとおかしいなと思う企業は経営側と創業家との対立が実は密かに潜行していた事がわかる。
セブン&アイ・ホールディングス、鹿島、出光興産、ヤマト運輸などにそれを感じる。
明確に所有と経営を分離する意図のもと専門の経営者がCEOに就く場合は好結果を産んでいる。
カルビー、任天堂は好例だ。
中外製薬は創業家社長が大きな決断をし世界最大の製薬会社ロシュ傘下に入った。
そのロシュもまたファミリー企業ホフマン・ロシュ家の所有だ。

会社名時価総額創業家の持分創業家の役員の有無
トヨタ自動車32.89兆円0.10%創業家ひ孫豊田章男氏社長
キーエンス12.23兆円22.74%創業者が取締役名誉会長
キャノン4.52兆円0.09%創業家出身御手洗社長
武田薬品工業5.96兆円2.27%シャイアー買収に創業家反対。配当維持で配当性向100%超。
村田製作所4.86兆円0.70%創業家3代目が初めて創業家以外から4代目指名
ブリヂストン3.77兆円12.42%創業家2代目幹一郎氏同族経営からの脱皮を図り創業家以外から社長を抜擢した。ファイアストン買収は主導した。以降は企業社長。
パナソニック2.62兆円0.50%創業者孫の松下正幸氏2018年3月副会長を退任、創業家が排除された。
キッコーマン1.56兆円16.87%以上 茂木6家、高梨家、堀切家の8家で構成。1家に1世代1人の不文律。
サントリーHD総資産2.22兆円非上場 創業家9割以上創業者ひ孫鳥居社長。酒の醸造には時間がかかり短期的な利益を求められる株式上場には馴染まない、等喧伝されている。ビール事業黒字化に45年を要した。
ソニー12.34兆円無し1995年まで筆頭株主であった創業家資産管理会社2005年解散
創業者一代目でCEOにとどまっているケースは除く

以上見てきただけでも創業家と対立すると会社に陰りが見え、創業家と経営が一体か相互互恵の関係だとうまくいく。互恵の鍵は「家訓」「養子・婿養子」「所有と経営の一致」「所有と経営の分離」などのワードだろうか。
武田薬品工業はシャイアー買収に際し、創業家と対立し今後高い配当を払い続けないといけない。買収効果が出なければどうするのだろう。
ブリヂストンは創業家がいる間はファイアストン買収という大きな決断が出来た。以降社内の企業社長が続いているがどう見てもジリ貧ではないのか。
パナソニックは創業家を排除してしまった。これからの企業社長たちは創業家という庇護者ないまま長期の展望のもと大胆な決断ができるのだろうか。2022年4月この度の分社化がそれに変わる機能を果たすのか。
ソニーは創業家が自ら墓穴を掘り退場してしまった。創業家に存在感があった頃の絶頂期出井社長と、創業家が存在感を失った後の最悪の経営者と烙印を押された出井会長の実績が完全にリンクするのは何故だろうか。
対立は我々の目につかないところで密かに潜行していることがほとんどだ。

世界のファミリー企業群~老舗で世界的企業のなんと多いことか

世界のファミリー企業を調べて列挙してみた。
よく聞く名前が多く出てくるので面白く眺めていただければと思う。
世界最大級の企業ばかりだ。

企業名支配家族創業年間売上時価総額
ナイキ/Nikeナイト/Knight 家1964年467.1億ドル1,659億ドル世界No,1スポーツブランド
L.L.BeanBean 家1912年16億ドル
ウォルマート/WalmartWalton 家1962年5,727.5億ドル3,869億ドル世界最大のスーパー
LG具 家1947年554億ドル
デル/Dellマイケル・デル1984年1,012億ドル312億ドルPC世界第3位の市場シェア
コムキャスト/ComcastRoberts 家1963年1,163億ドル1,470億ドル米国ケーブルテレビ最大手
VolkswagenPorsche 家1937年2,502億ユーロ777億ユーロ世界最大級の自動車会社
フォード/Ford MotorFord 家1903年1,363億ドル583億ドル米国最大級の自動車会社
カーギル/CargillCargill家Macmillan家1865年1,650億ドル非上場世界最大の穀物商社
BMWクヴァント/Quandt家1916年1,042億ユーロ475億ユーロ世界的自動車会社
プジョー/PeugeotPeugeot 家1810年1,700億ユーロ195億ユーロフィアットクライスラー部分所有
ロシュ/RocheHoffmann Roche家1896年624億ドル2,871億ドル世界最大の製薬会社
Continentalシェフラー/Schaeffler家1871年444億ユーロ360億ユーロ世界最大級の自動車部品会社
ディオール/Diorアルノー/Arnault家1946年120億ユーロ1,110億ユーロLVMHグループ
モエヘネシールイヴィトン/LVMHアルノー/Arnault家1854年642億ユーロ3350億ユーロ世界最大級の高級ブランド
ベクテル/Bechtelベクテル/Bechtel家1898年398億ドル非上場世界最大級の建設会社
ルイ・ドレフィスDreyfus家1851年1,200億ドル非上場4大メジャー一角の穀物商社
アルセロールミタルミッタル/Mittal家1989年766億ドル200億ドル世界最大級の製鉄会社
エクソール/Exorアニェッリ/Agnelli家1927年1,433億ユーロ163億ユーロ事業規模世界第4位の同族会社
The Economist Groupアニェッリ/Agnelli家1843年3.67億ポンド非上場多国籍メディア企業
フェラーリアニェッリ/Agnelli家1947年28億ユーロ386億ユーロ2年連続世界最強ブランド選出
ユベントスFC/Juventusアニェッリ/Agnelli家1897年セリエA

LGは日本企業が次々と離脱する中、有機ELを最後までやり通した。企業社長の日本vs.創業家のLGと見ることも出来る。
モエヘネシールイヴィトン/LVMHはディオールの巨額買収を決断できた。企業社長ならわざわざ買収するだろうか。
ウォルマートは経営ツートップは専門経営者「所有と経営の分離」。このような例は欧米では多く見られる。
GAFAMと呼ばれているIT企業トップ5社も言わずもがなのファミリー企業と言える。

  • Google(親会社Alphabet取締役で創業者ラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンで16.0%所有)
  • Amazon(創業者ジェフ・ベゾスCEO筆頭株主11.1%所有)
  • Meta(旧フェイスブック創業者マーク・ザッカーバーグは買収拒否権のある黄金株所有者)
  • Apple(創業者は故スティーブ・ジョブズで妻のローレン・ジョブス個人2位の株主3,850万株所有、現会長アーサー・レビンソン個人筆頭株主4,500万株所有バークシャー・ハサウェイのウォーレン・バフェット5.44%所有)
  • Microsoft(ビル・ゲイツ創業者3.95%所有個人2番目、個人筆頭株主はスティーブ・バルマー3.99%所有Microsoft30人目の従業員で2000年-2014年CEOでXboxへの巨額投資を承認)などになる。

欧米のファミリー企業の英知の結集をもっと解き明かして知りたいと思う。

ソニー創業家の没落とコングロマリットへの道~歴代社長の足跡

解説は本表の後にしているので流し読みしていただければと思う。ソニーグループを予想する上で過去の歴史をたどり現在を確認することは、未来を予想するのに必要だと思う。創業者が統治していた時代と創業家が力を持っていた時代の黄金期と、創業家が力を失っていった混乱と没落の時期、分社化で創業家に代わる新しい仕組みで復活する時期をよく見ていただきたい。

用語解説

【コングロマリット】
最近は少なくなってきているが業種の異なる多業種複合企業体をコングロマリットという

歴代社長活動事業売却、買収、リストラ特記事項
01代 1946年-1950年 前田多門東京通信工業
02代 1950年-1958年 井深大東京通信工業
02代 1958年-1971年 井深大1970NY市場上場IR活動から最先端の金融知識を吸収、後の金融事業進出につながる。1968合弁会社CBS・ソニー立ち上げ
03代 1971年-1976年 盛田昭夫
代表取締役会長 井深大
アメリカでの資金調達の経験からファイナンス事業の重要性を認識し銀行業務を立ち上げる。
04代 1976年-1982年 岩間和夫
代表取締役会長 盛田昭夫
トランジスタの研究で半導体の基礎を作った。結腸がんで急逝。
05代 1982年-1995年 大賀典雄
-1993年 代表取締役会長 盛田昭夫
※晩年出井氏指名を盛田氏の、次はものづくりの分かる人を指名して欲しいとの約束を守れなかったと後悔。
バリトン歌手でソニー創業者である井深、盛田両氏から三顧の礼を持って迎え入れた外様。
その後CBS・ソニー社長を経て岩間社長の急逝を受けソニー社長へ。
ソフトとハードの両輪経営という足跡をソニーに残した。
1994日本で始めてカンパニー制導入。
1988CBSレコード部門買収し現ソニー・ミュージックエンターテイメントとなる。
1989コロンビア映画を買収ソニー・ピクチャーズエンターテイメントとして映画事業に参入。
1985盛田英夫氏ソニー退社。
実業家へ転身。
1993盛田昭夫氏テニスの最中脳内出血で倒れ会長職を退く
06代 1995年-2000年 出井伸之経営のプロとして平取締役から14人抜きで社長へ抜擢された。
ものづくりからコンテンツ重視への転換を図った。
2000.6代表取締役会長兼CEOへ  
1995.11ソニーコミュニケーションネットワークとして発足。(後のSo-net)
1996.1So-netとしてISP事業を始める(現ソニーネットワークコミュニケーションズ) 
1996So-netへエレクトロニクス部門から大量に人員を転籍させた。(後にエレクトロニクス事業の活力を失わせる原因となったが2000年のネットバブルがそれを覆い隠した。)
1996vaio発売も経営資源の選択と集中を誤り失速。
1999プレイステーション2発売。
1999盛田昭夫氏没
妻良子氏資産管理会社レイケイの力背景に影響力持つ1993当時5.38%で筆頭株主
07代 2000年-2005年 安藤国威
代表取締役会長兼CEO 出井伸之
2005.5出井代表取締役会長とともに業績悪化の責任を取り退陣。2001.10ソニー・エリクソンモバイルコミュニケーションズ設立2001アップルがipod発売ウォークマンを駆逐した。
2001盛田英夫氏創業家資産運用会社レイケイ資産背景に数々の事業失敗を重ねる。
2003資産管理会社レイケイ資産を大きく毀損
2005レイケイ解散
08代 2005年-2009年 取締役社長兼エレクトロニクスCEO 中鉢良治
代表取締役会長兼CEOハワード・ストリンガー
エレクトロニクス事業の復活を目指した2008.12エレクトロニクス事業で8,000人削減
09代 2009年-2012年 ハワード・ストリンガーテレビ事業9期連続赤字、家電・電子部門の赤字垂れ流し体質改善されず2012年解任2010部門限定リストラ
2011キャリア開発室対象リストラ
10代 2012年-2018年 平井一夫家電・電子部門の再生とハードとソフトの両輪経営を掲げる2012間接部門リストラ4次~6次
2014本社間接部門リストラ
2013盛田英夫氏は父昭夫氏創設の財団資金にまで手を付け2013財団は解散した。
11代 2018年-2021年 吉田憲一郎2021.4取締役会長へ
12代 2021年-      槙公雄
取締役会長 吉田憲一郎
2021.4ソニーグループ株式会社へ社名変更しエレクトロニクス事業を分離する。ソニーエレクトロニクス株式会社がソニー株式会社へ。
グループCEOは吉田憲一郎氏が務める。
2022.3BEV(バッテリー式電気自動車)でホンダと提携
◆ソニー歴代社長

創生期~偉大なる創業者井深・盛田時代を振り返る~盛田氏の庇護が大きく影響を(1958年-1995年)

ソニー創業者の一人が第2代社長(1958年-1971年)井深大氏。1968年合弁会社CBS・ソニー立ち上げた。1970年NY市場上場を果たしIR活動から最先端の金融知識を吸収、これが後の金融業進出につながる。深慮遠謀の人であった。

第3代社長は(1971年-1976年)盛田昭夫氏、ソニー創業社の一人。アメリカでの資金調達の経験からファイナンス事業の重要性を認識していた盛田氏は銀行業務を立ち上げる。ソニーの企業イメージを確立した優れた経営者であった。

第4代社長(1976年-1982年)岩間和夫氏はトランジスタの研究で日本の半導体産業の基盤作りに貢献したが結腸がんで急逝した。

第5代社長は(1982年-1995年)大賀典雄氏。バリトン歌手でソニー創業者である井深、盛田両氏から三顧の礼を持って迎え入れた外様である。その後CBS・ソニー社長となり1982年にソニーの社長に就任、ソフトとハードの両輪経営という足跡をソニーに残した。1988年CBSレコード部門買収し現ソニー・ミュージックエンターテイメントとなる。1989年コロンビア映画を買収しソニー・ピクチャーズエンターテイメントとして映画事業に参入。盛田会長の後ろ盾のもと大きな決断をしていく
ところが1993年盛田氏はテニスの最中脳内出血で倒れ会長職を退くことになる。大賀氏は盛田会長という大きな後ろ盾を失ってしまう。
1994年には日本で始めてカンパニー制を導入した。日本で流行ったカンパニー制は後の評価では失敗と評されている。1995年大賀氏は次期社長に出井氏を指名、ここから会社は失速していくことになる晩年出井氏指名を、盛田氏の次はものづくりの分かる人を指名して欲しいとの約束を守れなかったと後悔した。また、盛田会長が倒れ後ろ盾がなくなったあとは創業家との関係に悩まされ続けた。
創業家との間で悩みながら打ったカンパニー制や出井氏次期社長指名の一手。盛田会長という後ろ盾を失った後の1994年1995年の大賀氏の打った手は後世失敗とされるものが多くあるようにみえる。

解説~創業家資産管理会社について

【創業家資産管理会社レイケイ】
その盛田昭夫会長の資産管理会社レイケイの力を背景に影響力持つのは昭夫氏の妻良子氏だが、盛田昭夫会長が倒れた1993年当時5.38%を所有するで筆頭株主であった。昭夫氏長男の盛田英夫氏は1985年のソニー退社以降数々の事業失敗により創業家一族資産管理会社のソニー株は次々と売却されていく。盛田昭夫会長が倒れた後の事業失敗は目に余るものがある(リゾート開発やF1出資など)。最終的には2005年6月全てのソニー株を失った資産管理会社は解散する。更には父昭夫氏創設の財団資金にまで手を付け2013財団も解散した。1999年盛田昭夫氏没2015年妻良子氏没。

歴代社長活動事業売却、買収、リストラ特記事項
01代 1946年-1950年 前田多門東京通信工業
02代 1950年-1958年 井深大東京通信工業
02代 1958年-1971年 井深大1970NY市場上場IR活動から最先端の金融知識を吸収、後の金融事業進出につながる。1968合弁会社CBS・ソニー立ち上げ
03代 1971年-1976年 盛田昭夫
代表取締役会長 井深大
アメリカでの資金調達の経験からファイナンス事業の重要性を認識し銀行業務を立ち上げる。
04代 1976年-1982年 岩間和夫
代表取締役会長 盛田昭夫
トランジスタの研究で半導体の基礎を作った。結腸がんで急逝。
05代 1982年-1995年 大賀典雄
-1993年 代表取締役会長 盛田昭夫
※晩年出井氏指名を盛田氏の、次はものづくりの分かる人を指名して欲しいとの約束を守れなかったと後悔。
バリトン歌手でソニー創業者である井深、盛田両氏から三顧の礼を持って迎え入れた外様。
その後CBS・ソニー社長を経て岩間社長の急逝を受けソニー社長へ。
ソフトとハードの両輪経営という足跡をソニーに残した。
1994日本で始めてカンパニー制導入。
1988CBSレコード部門買収し現ソニー・ミュージックエンターテイメントとなる。
1989コロンビア映画を買収ソニー・ピクチャーズエンターテイメントとして映画事業に参入。
1985盛田英夫氏ソニー退社。
実業家へ転身。
1993盛田昭夫氏テニスの最中脳内出血で倒れ会長職を退く
◆創生期~偉大なる創業者 井深・盛田時代を振り返る~盛田氏の庇護が大きく影響を(1958年-1995年)

大いなる失速の根源~数々の未来への失敗を犯した出井時代~(1995年-2005年)

第6代社長は14人抜きで就任した(1995年-2000年)出井伸之氏資産管理会社レイケイを背景に力のあった創業家妻の盛田良子氏と直接ではないが縁戚関係があり良子氏の覚えでたかった。
現在ではソニー凋落の根源と言われているEVA(単年度で業績を評価できる指標)を使い一時は好業績を上げた。しかしEVA指標のもと1996年So-net(現ソニーネットワークコミュニケーションズでISP事業開始の足がかり)へエレクトロニクス部門から大量に人員を転籍させ、後にエレクトロニクス事業の活力を失わせる原因となった。
液晶投資を抑制した原因として考えられるのもEVA。EVAは税引き後営業利益から資本コストを差し引いた経営指標なので投資を抑制すれば向上する。(EVAは花王、東京ガス、ダイキンなどが採用しているがコモデティ化している商品が勝負の企業と未来への投資が勝負の企業では違うと思う。)
1996年vaio発売も経営資源の選択と集中を誤り失速。フェリカ事業をJR東日本と組む判断を却下し2001年単独事業Edyとしたためインフラ整備ができず失速、2009年楽天への事業売却へとつながった。
AIBO事業に反対、プレイステーション事業にも冷淡と数々の失敗をしている。
そして株価は2000年に14,500円の最高値をつけた。レイケイの盛田良子氏は隠然とした力を持っていた時期である。1999年盛田昭夫氏没後、長男英夫氏の暴走が始まる。数々の投資の失敗を繰り返し、そのたびに創業家資産管理会社レイケイは穴埋めのためソニー株を売却していった。2003年大きな投資の失敗でレイケイは大きく資産を毀損するがこのときのソニーの株価は2,780円まで落ちている。俗に言われているソニーショックである。年度最終四半期(1-3月期)が赤字で通年で予想利益を1000億円下回ってしまった。2005年出井会長は業績不振の責任を取り安藤社長とともに退任する。株価は3,730円。同年レイケイは解散した。
力を失っていったレイケイと盛田良子氏の没落と出井氏の業績、株価は見事にリンクしている。 

第7代社長(2000年-2005年)安藤国威氏。業績不振で出井会長とともに引責辞任した。

用語解説~EVA(経済的付加価値)

【EVA(経済的付加価値)】
EVA=税引後利益-投下資本×資本コスト率
投下資本とは有利子負債+株主資本
資本コスト率とは有利子負債の要求される利率+株主資本の配当率の加重平均・・・WACC(加重平均資本コスト)

歴代社長活動事業売却、買収、リストラ特記事項
06代 1995年-2000年 出井伸之経営のプロとして平取締役から14人抜きで社長へ抜擢された。
ものづくりからコンテンツ重視への転換を図った。
2000.6代表取締役会長兼CEOへ  
1995.11ソニーコミュニケーションネットワークとして発足。(後のSo-net)
1996.1So-netとしてISP事業を始める(現ソニーネットワークコミュニケーションズ) 
1996So-netへエレクトロニクス部門から大量に人員を転籍させた。(後にエレクトロニクス事業の活力を失わせる原因となったが2000年のネットバブルがそれを覆い隠した。)
1996vaio発売も経営資源の選択と集中を誤り失速。
1999プレイステーション2発売。
1999盛田昭夫氏没
妻良子氏資産管理会社レイケイの力背景に影響力持つ1993当時5.38%で筆頭株主
07代 2000年-2005年 安藤国威
代表取締役会長兼CEO 出井伸之
2005.5出井代表取締役会長とともに業績悪化の責任を取り退陣。2001.10ソニー・エリクソンモバイルコミュニケーションズ設立2001アップルがipod発売ウォークマンを駆逐した。
2001盛田英夫氏創業家資産運用会社レイケイ資産背景に数々の事業失敗を重ねる。
2003資産管理会社レイケイ資産を大きく毀損
2005レイケイ解散
◆大いなる失速の根源~数々の未来への失敗を犯した出井時代~(1995年-2005年)

初めての外国人CEO~出井さんの指名した後継者はやはりそれなりの素性だった(2005年-2012年)

第8代社長(2005年-2009年)中鉢良治氏。肩書は取締役社長兼エレクトロニクスCEO。
同時に代表取締役会長兼CEO ハワード・ストリンガー氏が就任、ストリンガー氏は出井氏からの申し送りで盛田良子婦人を大変忖度した。しかし既に力を失っており後ろ盾にはならなかったのは予想に難くない。中鉢氏とストリンガー氏の分かりにくい肩書は両者に確執を生んだ。2009年3月株価は2,000円を割り込んで1,998円にまで落ち込む。

第9代社長(2009年-2012年)ハワード・ストリンガー氏。2005年出井会長は後継者にストリンガー氏を指名、同時に社長に中鉢氏も指名した。IBMの考察「個別株予想に挑む~IBMはamazonになれないのか~そして富士通はIBMかamazonか (1)」でも述べたように後継を指名した経営者は自分と同じタイプの後継者を指名する。
ストリンガー氏は中鉢氏を外し独裁体制を築く。そして業績悪化とリストラに拍車がかかる。
2012~2013年1万人のリストラとキャリアデザイン室という人員削減部署の存在はよく知られている。 テレビ事業9期連続赤字、家電・電子部門の赤字垂れ流し体質改善されず2012年解任された。

歴代社長活動事業売却、買収、リストラ特記事項
08代 2005年-2009年 取締役社長兼エレクトロニクスCEO 中鉢良治
代表取締役会長兼CEOハワード・ストリンガー
エレクトロニクス事業の復活を目指した2008.12エレクトロニクス事業で8,000人削減
09代 2009年-2012年 ハワード・ストリンガーテレビ事業9期連続赤字、家電・電子部門の赤字垂れ流し体質改善されず2012年解任2010部門限定リストラ
2011キャリア開発室対象リストラ
◆初めての外国人CEO~出井さんの指名した後継者はやはりそれなりの素性だった(2005年-2012年)

復活の起点平井CEO~酷評された船出の時期と絶賛された後半~なんと日和見主義の経済専門誌とコラムニスト(2012年-2021年)

第10代社長(2012年-2018年)平井一夫氏。海外と日本で育ち国際基督教大学(ICU)出身でCBSソニー入社、その後ソニー・コンピューターエンターテイメント米国法人を経て経営へ携わる傍流であった。 平井・吉田体制で経営 「家電・電子部門の再生」を掲げた。
改革において「社外」、「傍流」、「庇護者の存在」などは重要である。傍流の平井氏はしがらみなく改革を断行、リストラと資産売却を行った。しかし業績はなかなか好転せず2014.3期2015.3期2期連続赤字であった。
この時、すべての経済専門誌とそのコメンテイターはソニー平井氏を酷評しV字回復のパナソニックを褒めちぎった。2010年代はじめパナソニック、シャープがV字回復ソニーが取り残され「さよならソニー」と言われた。しかし2022年現状はどうだろう、全く違った図式になっているが各経済誌は以前の散々非難した過去など意に介さず平井氏礼賛が鳴り響く。結果論だ、いかに評論が結果に迎合しているかよく分かる。
平井氏への批判が業績好転すると一転こうなってしまう。「映画音楽のエンターテイメント事業売却を株主から迫られるがはねのけハードとソフトの両輪経営を貫く。復活したアイボは月会費制、プレイステーションプラスの会員は全世界5000万人。リカーリングビジネスが花開く。一方パソコン事業撤退、テレビ事業別会社化した。2014.3期の赤字はここ数年不動産を売却して繕ってきた黒字を無くし構造改革にかける姿勢を示したものと見る向きが一部に出た。」
2014年上場来初の無配を経て2014年7月PC事業を投資ファンドに売却、2014年7月目処にTV事業分社化ソニービジュアルプロダクツ株式会社、2015年10月半導体事業分社化ソニーセミコンダクタソリューションズ 全事業の分社化へ。この分社化も業績が好転しない時期は酷く批判された。
平井氏は全事業の分社化方針を明らかにした。この分社化は創業家との関係性に代わる大変重要な仕組みで、2021年ソニーグループに社名変更したがグループの指揮者こそ創業家の役割を果たせる後ろ盾だと考える。
傍流の平井社長は身の程を理解していたのだと思う。改革を成し遂げしがらみが出来てきた時、代表権を持たない会長として身を引いた。

用語解説~リカーリングビジネス

【リカーリングビジネス】
一度の取引で完了するのではなく継続して取引をおこない、安定した利益を得ることができるビジネスモデルのこと。サブスクリプションとの違いは、電気代や水道代などのように使用量に応じて使用量を払い続けるシステムか(リカーリング)、定額で料金を継続的に払い続けるか(サブスクリプション)といった点になる。

第11代社長(2018年-2021年)吉田憲一郎氏。2000年より当時のソニーコミュニケーションネットワーク(現ソニーネットワークコミュニケーション)に転じ、インターネットサービスプロバイダ事業「So-net」を手掛け、05年には社長としてマザーズ上場を果たした。そして、この実績が評価されて、13年12月、平井氏の要請でソニーに復帰した。平井社長の1歳年上でピンチヒッター的位置づけの社長と見られたがやはり経歴は傍流の社長だ。2021.3期1.17兆円の純利益、ゲーム部門3400億円、金融部門1000億円以上、音楽部門1000億円以上、家電・電子部門2800億円などを記録する。

第12代社長(2021年-   ) 槙公雄氏。2021.4ソニーグループ株式会社へ社名変更しエレクトロニクス事業を分離する。ソニーエレクトロニクス株式会社がソニー株式会社へ。全事業分社化の最後のピースではないかと思う。コングロマリット化の完成と言える
槙公雄氏は分社後のソニー株式会社の社長であり、ソニーグループのCEOは吉田憲一郎氏である。
事実上吉田体制のままであり良き後ろ盾となり分社化した各社が力を振るえる創業家の役割を果たすならば良い結果に向かうと思う。グループ本社の振る舞い一つで大きく混乱する可能性もあるので吉田体制を精査してみたい。

歴代社長活動事業売却、買収、リストラ特記事項
10代 2012年-2018年 平井一夫家電・電子部門の再生とハードとソフトの両輪経営を掲げる2012間接部門リストラ4次~6次
2014本社間接部門リストラ
2013盛田英夫氏は父昭夫氏創設の財団資金にまで手を付け2013財団は解散した。
11代 2018年-2021年 吉田憲一郎2021.4取締役会長へ
12代 2021年-      槙公雄
取締役会長 吉田憲一郎
2021.4ソニーグループ株式会社へ社名変更しエレクトロニクス事業を分離する。ソニーエレクトロニクス株式会社がソニー株式会社へ。
グループCEOは吉田憲一郎氏が務める。
2022.3BEV(バッテリー式電気自動車)でホンダと提携
◆復活の起点平井CEO~酷評された船出の時期と絶賛された後半~なんと日和見主義の経済専門誌とコラムニスト(2012年-2021年)

ソニーグループを予想する~分社化こそ創業家に代わる仕組み

出典:Yahoo!ファイナンス

ソニーは2021年4月ソニーグループに社名を変更しパナソニックより一足先に、そしてかなり前より進めてきた分社化を完成させた。
グループCEO吉田憲一郎氏とグループ各社の歯車が噛み合えば、グループ各社の社長は吉田CEOを後ろ盾として力を振るえるはずだ。しかし近来の株価はそのようには推移していない。
2021年1月の株価10,285円で始まり同年12月の14,475円の高値を記録。2022年1月14,540円で始まり以後ほぼ一貫して下げ続け2022年9月に9,286円まで下げたあと同年11月11,000円辺りまで戻している。
この個別株予想では公開されている数値やテクニカニカル指標の解説はしていない。ただ決算の数値は重要なので数字を参考にしているが予測には無力だと思っている
実際プロやセミプロのブログ、You Tubeなどを遡って株価推移と重ね合わせて見ても、数値や指標を使って様々な解説を加えているがソニーの株価を的確に予想しているものは皆無だ。
明日の株価がどうなるかは誰にも分からない。ただその企業に未来が見えたなら株を所有していないと成果に預かれない。予測するには別の物差しが必要だ。分社後の主要子会社と役員は以下の通りだ。

①ソニー株式会社(エンタメテクノロジー分野)エレクトロニクス、デジタルカメラ、テレビ・オーディオ、スマホ 第12代社長兼 CEO(2021年-  ) 槙公雄取締役会長 吉田憲一郎(グループCEO) 取締役 十時 裕樹(グループ役員)

②ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社(イメージングセンサー分野) 代表取締役社長 兼 CEO 清水 照士 取締役会長 吉田 憲一郎(グループCEO) 取締役 十時 裕樹(グループ役員)

③株式会社ソニーインタラクティブエンターテイメント(ゲームネットワーク分野) 社長 兼 CEO ジム・ライアン 非常勤取締役 吉田憲一郎(グループCEO) 非常勤取締役 十時 裕樹(グループ役員)

④株式会社ソニー・ピクチャーズエンタテインメント(映画分野) トニー・ヴィンシクエラ(会長、CEO)

⑤株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント(音楽分野) 代表取締役社長 兼 CEO 村松 俊亮 取締役 吉田憲一郎(グループCEO) 取締役 十時 裕樹(グループ役員)

⑥ソニーフィナンシャルグループ株式会社(金融分野) 代表取締役社長 兼 CEO 岡 昌志

④ソニー・ピクチャーズエンタテインメント⑥ソニーフィナンシャルグループには本体グループ役員が入っておらず③ソニーインタラクティブエンターテイメントは非常勤取締役としてしか入っていない。分社化でグループ本社が後ろ盾となり各社に思い切った決断をさせることが出来る体制はできている。新しい挑戦決断ができるはずだと考える。⑤ソニー・ミュージックエンタテインメントも米国のソニー・ミュージックエンタテインメントからは独立しており取締役として吉田氏、十時氏入っているが米国法人の独立性は保たれていると思う。これらを革新的素地がある子会社群と呼ぶことにする。
焦点は①ソニー②ソニーセミコンダクタソリューションズの主流分野で創業ビジネスの子会社群だと思う。ここは取締役会長でグループCEO吉田氏とグループ役員十時氏が入っている。子会社自ら大胆な決断や投資はしにくい環境だと思う。これらは保守的素地がある創業ビジネス子会社群と呼びたい。
しかし、ソニーグループの事業は相互に関連がありゲームネットワーク部門など革新的素地がある子会社群が保守的素地の創業ビジネス子会社群を新たな開発・投資へ引っ張っていく力が今はあると見ている。メタバースとモビリティで成長していくと宣言しているソニーグループの6つの主要子会社群が連携して技術を補完し関連しあわざるを得ないからだ。
将来最大限にグループの力を出すには創業ビジネス子会社群からグループ役員が距離を置く形態とならなければならないと思っている。後ろ盾に徹する経営形態を取るということだ。
ソニー・ホンダモビリティ株式会社設立でホンダとの提携など未来を感じさせる話も出ているが楽観はできない。ホンダはGoogleと提携しているしアップルの開発にも対応している。車本来の目的を見失うと埋もれてしまうかもしれない。
出資はグループ本体からでソニーモビリティ株式会社を設立しており、新しい分野の主要子会社になっていくのかソニー株式会社の下につくのかわからずどうこう論じるまで至っていないたねの段階と捉えるのがいいと思う。

この1年の株価下落は独立性が保たれている革新的素地の子会社群からのビジネスの種を保守的素地の創業ビジネス子会社群が動き鈍く活かしきれなかった結果かと思っている。今後アナリストが強気予測しているように15,000円~16,000円の目標株価に向かっていくと思う。革新的素地の子会社群が創業ビジネス子会社群をいやが応でも動かしていくはずだからだ。
さらなる高みに行くためには全ての子会社群が自由に革新的な発想が出来るようにグループ役員が距離を置く体制にするのが最も望ましいと考える。そこにはまだ至っていないソニーグループが目標株価15,000円~16,000円を大きく抜けて真のエクセレントカンパニーへ変貌していくとはまだ思えない。

パナソニックについては続編(2)で創業家と対立したパナソニックと創業家が自滅したソニー~創業家が退場し普通の企業になったのか(2)

個別株予想は、あくまで個人的見解を示したもので、投資を勧誘や推奨するものではありません。
過去の実績や未来の予想は投資成果を保証するものではありません。
売却を勧めるものでもありません。
投資の判断は皆様ご自身の決定にてお願い致します。

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