「フィッシング対策とは、具体的に何をすればいいのだろう」と迷っていませんか。銀行やクレジットカード会社を装ったメール・SMSは年々巧妙になっており、個人だけでなく企業にとっても無視できないリスクです。この記事では、フィッシング対策とは何かという基礎知識から、個人(スマホ利用者含む)と企業、それぞれの立場で取るべき具体的な対策、おすすめのツールまで整理します。
フィッシング対策とは?(基礎知識)
適切なフィッシング対策とは、日頃の心がけと技術的な仕組みの両方を組み合わせることで実現します。
フィッシング対策の意味
フィッシング対策とは、実在する企業やサービスを装った偽のメール・SMS・Webサイトへの対策を指す言葉です。パスワードやクレジットカード番号などを盗み取られないようにするための取り組み全般が含まれます。「フィッシング(phishing)」は「魚釣り(fishing)」をもじった言葉で、偽の情報でユーザーを釣り上げることに由来しています。
フィッシング詐欺の主な手口
フィッシング対策とは何かを理解する前提として、まず典型的な手口を知っておくと判断しやすくなります。
- 銀行・クレジットカード会社を装い、「アカウントがロックされました」等のメールでログインを促す
- 宅配業者を装い、不在通知を装ったSMS(いわゆるスミッシング)から偽サイトに誘導する
- 本物とほぼ同じデザインの偽サイトにIDとパスワードを入力させる
- 公的機関や取引先を装ったメールで、添付ファイルやリンクを開かせる
フィッシング対策の具体例
フィッシング対策とは、個人向け・企業向けでそれぞれ具体的な取り組み方が異なります。
個人でできる対策
フィッシング対策とは、まず「怪しいメール・SMSのリンクを安易に開かない」という基本の徹底から始まります。具体的には次のような対策が有効です。
- 送信元のメールアドレスやドメインが正規のものと一致しているか確認する
- リンクをクリックする前に、ブラウザでURLを直接入力してアクセスし直す習慣をつける
- 二要素認証(2段階認証)を有効にし、パスワードが漏れても不正ログインされにくくする
- OSやブラウザ、セキュリティソフトを常に最新の状態に保つ(更新を1ヶ月放置しただけでも、既知の脆弱性を突かれるリスクが高まります)
フィッシング対策協議会の呼びかけによると、これらの対策の中でも特にリンクをクリックする前のURL確認が基本とされています。二要素認証はデメリットとして初期設定にやや手間がかかりますが、一度設定すれば継続的にリスクを下げられます。
スマホ(iPhone・Android)での対策
スマホはSMSやアプリの通知経由でフィッシングに誘導されるケースが増えています。iPhoneであればメッセージアプリの「不明な差出人」フィルタを有効にしてください。Androidであれば、Googleのセーフブラウジング機能を有効にするなど、OS標準のセキュリティ機能をまず活用してください。あわせて、SMSに記載されたリンクよりも、公式アプリやブックマークからログインする習慣が有効です。
企業が導入すべき対策
企業では、個人の注意力だけに頼らない仕組みでの対策が求められます。
- 送信ドメイン認証(SPF/DKIM/DMARC): 自社ドメインを装ったなりすましメールを技術的に防ぐ仕組みです
- メールフィルタリング・セキュリティサービスの導入: フィッシングメールを受信段階で検知・隔離します
- 従業員向けの標的型メール訓練: 疑似フィッシングメールを実際に送り、開封率を可視化して継続的に改善します
- インシデント発生時の報告フローの整備: 誤って情報を入力してしまった場合に、すぐ情シス部門へ報告できる体制を用意します
自社ドメインを装ったなりすましメールを技術的に見分ける仕組みです。SPF・DKIM・DMARCの3つを組み合わせることで、受信側のメールサーバーが「本物の送信元かどうか」を検証できるようになります。
フィッシング対策ツール・サービス

以前、取引先を装った巧妙なメールが届き、一瞬「本物かもしれない」とヒヤリとしたことがあります。送信元のドメインが1文字だけ違う偽物でした。
フィッシング対策のソフト・サービスには、個人向けと企業向けでそれぞれ次のような選択肢があります。
- 個人向け: 主要なセキュリティソフト(ウイルス対策ソフト)に搭載されているフィッシングサイト検知機能や、ブラウザ標準のセーフブラウジング機能
- 企業向け: メールセキュリティゲートウェイ、DMARCレポートを解析するサービス、標的型メール訓練を提供する専門サービス
自社や自分の環境にあわせて、必要な機能から優先的に導入を検討するとよいでしょう。
フィッシング対策はどこまでやればよいか
フィッシング対策とは、被害を完全にゼロにすることを目指すというより、未然に防ぎつつ万が一発生した場合の影響を最小限にするための取り組みだと捉えるのが現実的です。個人であれば、二要素認証と基本的な注意習慣があれば大半のリスクを減らせます。企業の場合は、技術的な対策(SPF/DKIM/DMARC等)と人的な対策(訓練・報告フロー)の両輪で進めることが望ましいです。すべてを一度に完璧にしようとせず、優先度の高いものから段階的に導入することをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
フィッシングメールかどうかを見分けるコツはありますか?
基本のフィッシング対策とは、送信元のメールアドレスやドメインをよく確認することです。正規のドメインと1文字だけ違う偽ドメインが使われることが多いため、リンクをクリックする前にURLをよく見る習慣をつけてください。フィッシングサイトに情報を入力してしまった場合はどうすればいいですか?
すぐに該当サービスのパスワードを変更してください。クレジットカード情報を入力してしまった場合は、カード会社に連絡して利用停止や再発行の手続きを行います。企業のアカウントであれば、情シス部門へ速やかに報告してください。iPhoneでフィッシング対策として設定しておくべきことはありますか?
メッセージアプリの「不明な差出人」フィルタを有効にすることをおすすめします。あわせて、SMSやメール内のリンクよりも、公式アプリやブックマークからログインする習慣をつけると安全性が高まります。企業のフィッシング対策とは、まず何から始めればいいですか?
送信ドメイン認証(SPF/DKIM/DMARC)の設定から始めることをおすすめします。自社ドメインを装ったなりすましメールを技術的に防げるため、比較的低コストで効果が見込めます。フィッシング対策協議会とはどのような機関ですか?
フィッシング対策協議会は、フィッシング詐欺に関する情報収集や注意喚起を行う組織です。最新の手口や緊急情報が随時公開されているため、定期的に確認しておくと役立ちます。二要素認証を設定していればフィッシング対策は十分ですか?
二要素認証は有効な対策のひとつですが、それだけで万全とはいえません。認証コードまで入力させる巧妙な偽サイトも存在するため、送信元やURLを確認する習慣とあわせて実践することが重要です。まとめ
ここまで見てきたように、フィッシング対策とは、個人が日常的に行う基本的な注意習慣から、企業が導入する技術的・組織的な仕組みまで幅広い取り組みを指します。個人であれば送信元やURLの確認、二要素認証の活用が基本です。企業であればSPF/DKIM/DMARCなどの技術対策と、従業員向けの訓練・報告フローの整備を組み合わせることが望ましいです。最新の手口はフィッシング対策協議会や警察庁のフィッシング対策ページで随時公開されているため、あわせて確認してください。社内のIT基盤全体を見直す際は、ネットワーク冗長化とは何かもあわせて参考にしてください。
組織のネットワーク構成を根本から見直す場合は、三層分離(ネットワーク分離)の考え方もあわせて参考にしてください。
