相続手続きを自分で行う方法|登記から確定申告まで全手順

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親が亡くなったあと、「相続手続きは司法書士や税理士に頼まないと無理だろう」と考えていませんか。私も最初はそう思っていました。しかし、相続手続きを実際にやってみたところ、期限と必要書類さえ押さえれば全て費用をかけずに終えられました。この記事では、戸籍の収集から相続登記、準確定申告、相続税の要否判定、相続したあとの確定申告まで、実際にやった手順に沿ってまとめます。あわせて、相続手続きを自分でやると割に合わない「専門家に頼むべきケース」も正直に書きます。

法務局も税務署も、事前に電話予約すれば相続手続きの相談に無料で乗ってくれます。ここを知っているかどうかで難易度がかなり変わりました。

重要なのは自分でとにかく一旦作成してみてわからなかったことを質問することです。的確に指摘や指導をしてくれます。それを踏まえて再度確認して再チェックしてもらえばよいのです。

予約は何回でもできますし極めて親切に教えてくれます。なんの用意もしなければ良い回答は得られないでしょう。

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相続手続きは本当に自分でできるのか(結論)

自分でできた範囲

先に結論を書くと、次の手続きは専門家に依頼せず自分で完了できました。

  • 戸籍謄本・除籍謄本の収集(広域交付を利用)と、法定相続情報一覧図の作成・交付申請
  • 遺産分割協議書の作成(必要に応じて)
  • 相続登記(不動産の名義変更)の申請
  • 準確定申告(被相続人の所得税の申告)
  • 相続税の申告要否の判定(相続税が発生しなければ不要)
  • →これらの後に相続した土地家屋の売却があります。そして全て自分でできます。

相続税の申告は、法律の改正で基礎控除(非課税枠)が大きく減ったのと、不動産価格が上昇していることにより必要となるケースが増えると予想されます。

筆者の場合も不動産価格の上昇により相続税の申告をしなければなりませんでした。

相続税の対象となる不動産価格の算出は土地と家屋で違います。

また、土地も路線価で算出ですが中心部を外れると路線価がなく倍率方式に切り替わるのでよく確認しましょう。倍率方式では固定資産税評価額が基礎の数字になります。固定資産税の納税通知書に記載されていますので大切に保管しておきましょう。

専門家に頼んだほうがいいケース

一方で、次のような事情がある場合は、はじめから司法書士・税理士・弁護士に相談したほうが結果的に安く・早く済みます。

  • 相続人が多い、面識のない相続人がいる、相続人の中に認知症・未成年者がいる
  • 遺産分割で相続人どうしの意見が対立している(この場合は弁護士)
  • 不動産の数が多い、遠方や複数の市区町村にまたがる、共有名義や借地権がある
  • 遺産相続が終わる前に相続人が死亡してしまうケース。例えば父親が亡くなり遺産相続手続き中に母親が亡くなり別の相続が発生してしまう(数次相続)
  • 非上場株式・国外財産・多額の生前贈与があって相続税評価が複雑、または相続税がかかる見込みが高く特例による節税判断が必要
この記事の位置づけ

本記事は一般的な情報の整理であり、個別の相続手続きの結論を保証するものではありません。判断に迷う点は、法務局・税務署の無料相談や、司法書士・税理士に確認してください。制度の内容・期限は本記事の更新時点(2026年8月)のものです。

相続手続き全体のスケジュール(期限マップ)

相続手続きを自分でやるうえで最初にやるべきことは、期限の把握です。相続手続きには法律で定められた期限がいくつもあり、主なものは4つです。

相続手続きの主な期限
  • 3か月以内
    相続放棄・限定承認

    相続の開始を知った日から3か月以内。借金のほうが多い可能性があるなら、まずここを判断する。

  • 4か月以内
    準確定申告

    被相続人に一定の所得があった場合、相続人が代わりに所得税を申告・納税する。

  • 10か月以内
    相続税の申告・納税

    遺産総額が基礎控除を超える場合。特例で税額がゼロになる場合も申告は必要。

  • 3年以内
    相続登記

    不動産を取得したことを知った日から3年以内。2024年4月から申請が義務化された。

期限の起算日はいずれも「相続の開始(被相続人の死亡)を知った日」または「その不動産を取得したことを知った日」です。相続手続きの実務では、四十九日が終わったあたりから戸籍集めを始めます。3〜4か月目に準確定申告と相続登記を進め、遺産の全容がまとまった段階で相続税の要否を確定させる、という順序になりやすいです。

親など被相続人が亡くなったあと、預金口座をどうするか迷いますよね。

結論は金融機関に告知する義務はありません。法的な根拠は特にないからです。

告げた瞬間から金融機関は口座を凍結します。所定の手続きをしない限り1円たりとも動かせません。相続などの手続に入るときの告知で問題ありません。

相続が発生した時点の金額を確定さえしておけば自由にお金は移動できますし、金融機関が個人情報に触れることを聞いてくることもありません。

準確定申告・相続税の申告を相続発生時点の確定金額で行えば税務署も何も言ってくることはないのです。

Step 1: 相続人と財産を確定する(最初の1〜2か月)

相続手続きの最初のヤマは、相続人が誰かと、遺産に何があるかを確定させることです。ここが固まらないと、遺産分割協議も相続登記も相続税の判定も進みません。

戸籍を集める(広域交付を活用する)

相続手続きでは、被相続人の「生まれてから亡くなるまで」の連続した戸籍(戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍)と、相続人全員の現在の戸籍が必要になります。

法務省「戸籍の広域交付」によると、2024年3月1日から戸籍の「広域交付」が始まりました。本籍地が遠方でも、最寄りの市区町村の窓口で全国の戸籍をまとめて請求できます。以前のように本籍地ごとに郵送で取り寄せる手間が大幅に減っています。ただし次の制限があります。

  • 請求できるのは本人・配偶者・父母や祖父母・子や孫(直系)のみ。兄弟姉妹の戸籍は広域交付では取れない
  • 窓口での請求のみ(郵送・代理人による請求は不可)、本人確認書類が必要
  • 一部のコンピュータ化されていない古い戸籍は対象外で、従来どおり本籍地に請求する

戸籍の広域交付は各市町村の窓口にスペシャリストが必ずいます。

出生から死亡までの足取りを時系列にきちんと調べて、30分ほど待てば全て揃えてくれます。

自分が知らなかった意外な事実がわかったりもします。

筆者の場合は祖父が商売のため先代の名に改名していたことを知り、非常に感慨深い思いを致しました。

通数が多いと、金額はかなり高額になる場合もありますので原本還付してくれる場合は還付申請したほうがいいと思います。筆者の場合は5通でしたので3,000円~4,000円ほどかかったと思います。

また、住民票の除票などは数年経過でひけなくなりますので、必ず予備を持っておきましょう。

法定相続情報一覧図を作る

「法定相続情報一覧図」とは、相続関係を家系図のように1枚にまとめた書類です。集めた戸籍一式と、自分で作成したこの一覧図を法務局に提出します。すると、登記官の認証がついた写しを、無料で必要な枚数だけ交付してもらえます。

この写しがあると、相続登記・預貯金の解約・証券口座の移管・準確定申告などの場面で、分厚い戸籍の束を提出する代わりに1枚で済みます。複数の金融機関を並行して手続きするなら、最初に作っておくと時間の節約になります。

法定相続情報一覧図の様式と記載例は法務局「法定相続情報証明制度の手続」に用意されています。エクセルやワードのひな形をダウンロードして作れます。

財産目録を作る

不動産・預貯金・有価証券・生命保険・借入金などを一覧にします。不動産は、市区町村から毎年届く「固定資産税の課税明細書」や、名寄帳(市区町村ごとに保有不動産をまとめた帳簿)で確認します。

2026年2月2日からは「所有不動産記録証明制度」が始まりました(法務省「所有不動産記録証明制度」)。法務局で、特定の人が所有者として登記されている全国の不動産の一覧を、証明書として取得できます。相続人も請求できるため、被相続人の名義になっている不動産の見落とし(先代名義のまま放置されていた土地など)を防ぐのに使えます。

Step 2: 遺産分割協議書を自分で作る

遺産分割は相続手続きの中心になる作業です。遺言書がない場合、誰が何を相続するかを相続人全員の話し合い(遺産分割協議)で決め、その結果を「遺産分割協議書」にまとめます。

遺産分割協議は必須ではありません。

筆者の場合は私を含めて兄弟2名で法定相続通りに分割したので必要性がありませんでした。

書き方のポイント

  • 被相続人の氏名・死亡日・本籍を特定する
  • 不動産は登記事項証明書(登記簿謄本)のとおりに、所在・地番・地目・地積、家屋番号・床面積まで正確に書き写す(住所表記ではなく登記上の表示を使う)
  • 「誰が」「どの財産を」取得するかを一つずつ明記する
  • 後から判明した財産の取り扱い(例:相続人◯◯が取得する)を一文入れておく
  • 相続人全員が署名し、実印で押印する

実印と印鑑証明書

相続登記や金融機関の手続きでは、相続人全員の印鑑証明書(発行後3か月以内などの期限を求められることがある)が必要です。遠方の相続人がいる場合は、協議書を郵送で持ち回り、各自が実印を押して印鑑証明書を同封してもらう形になります。

遺産分割協議はとても慎重かつ迅速に行わなければなりません。

例えば空き家特例との兼ね合いでは対象外になることも充分考えられます。

空き家特例は各市町村役場が窓口ですので確認に出向いたほうが間違いありません。

家屋と土地を別々に相続する内容で登記まで済ませてしまうと適用外になってしまいます。

重々確認を怠らないことです。

また、遠方に疎遠な相続人がいる場合も丁寧な説明が必要です。

話しにくいからと説明を怠ると余計な疑念を招きトラブルの種になります。

Step 3: 相続登記を自分で申請する

不動産を相続したら、法務局(不動産の所在地を管轄する法務局)に所有権移転登記を申請します。相続登記は相続手続きの中で唯一、期限を過ぎると過料の定めがある手続きです。法務省「相続登記の申請義務化」によると、2024年4月1日から、相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内の申請が義務化されました。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になります。2024年4月より前に発生していた相続で未登記のものも対象で、2027年3月31日までに登記する必要があります。

相続登記の申請には、次の書類をそろえます。相続手続きの中でも書類の点数が多い工程です。

必要書類

  • 登記申請書(法務局「登記手続ハンドブック」にひな形と記載例あり。遺産分割協議による相続のパターンを選ぶ)
  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍一式(または法定相続情報一覧図の写し)
  • 相続人全員の戸籍と、不動産を取得する相続人の住民票、遺産分割協議書、相続人全員の印鑑証明書
  • 対象不動産の固定資産の評価証明書(その年度のもの)
  • 登録免許税として納める収入印紙(または電子納付)

登録免許税の計算

相続による所有権移転登記の登録免許税は、固定資産税の評価額 × 0.4%です。評価額は「固定資産の評価証明書」または課税明細書に記載された額を使い、1,000円未満を切り捨てて計算します。

例:評価額が合計2,000万円の場合 → 2,000万円 × 0.4% = 8万円

なお、2027年3月31日までの時限措置として、評価額が100万円以下の土地の相続登記は登録免許税が非課税になります(法務局「登録免許税の免税措置」)。使われていない山林や持分のわずかな土地がある場合はこの対象になることがあります。法務局の窓口では登録免許税の計算誤りが多いと案内されているので、複数筆ある場合は合計額を法務局の相談で確認してもらうと安全です。

※金額はイメージです。報酬額は事務所や不動産の数によって変わります。

オンライン申請と窓口申請

申請方法は、法務局の窓口へ持参、郵送、オンライン(登記・供託オンライン申請システム)の3通りです。オンラインでも添付書面(戸籍原本など)は別途郵送または持参が必要なため、初めてなら窓口に予約を取り、書類一式を対面で確認してもらう方法が確実です。

補正(やり直し)に注意

申請後、記載ミスや書類不足があると法務局から「補正」の連絡が入ります。補正で済めば大きな問題にはなりませんが、評価証明書の年度違いや、協議書の不動産表示の誤記はよくあるつまずきどころです。

筆者の場合は相続登記申請書類一式と同時に持参し納付しました。

事前に完成に近い書類一式を法務局に時間予約し確認してもらっていたのでスムーズにいきました。

登録免許税は10万円以下でした。窓口で収入印紙にて納付です。

その後2週間ほどで登記識別情報(権利証に変わるもの)が送られてきます。

シールなどは剥がさずそのまま保管しましょう。

Step 4: 準確定申告(4か月以内)

準確定申告は、相続手続きの中でも見落とされやすい手続きです。亡くなった人のその年の1月1日から死亡日までの所得について、相続人が代わりに行う所得税の確定申告を指します。国税庁「準確定申告(No.2022)」によると、相続の開始を知った日の翌日から4か月以内に、被相続人の住所地の税務署へ提出します。

準確定申告が必要になりやすいケース

  • 被相続人に事業所得・不動産所得(家賃収入)があった
  • 給与収入が2,000万円を超えていた
  • 公的年金等の収入が400万円を超えていた
  • 給与・年金以外の所得が20万円を超えていた
  • 多額の医療費を払っていた、源泉徴収された税金が納めすぎになっている(この場合は申告すると還付される)

年金収入のみで一定額以下、といった場合は準確定申告が不要なこともあります。判断が微妙なときは税務署に確認します。

必要書類

通常の確定申告書に加えて、「死亡した者の所得税及び復興特別所得税の確定申告書の付表」を添付し、相続人が複数いる場合は付表に全員が連署します。被相続人の生命保険料控除証明書・医療費の領収書・年金の源泉徴収票などを集めます。e-Taxでも準確定申告に対応しています。

準確定申告は通常の確定申告とほぼ同じです。相続人連名で申告することになります。その年の亡くなった日までの確定申告になります。

親に給与所得と不動産譲渡所得があったため国税庁のホームページの「確定申告書等作成コーナー」で通常の確定申告画面で作成し書面で提出しました。

筆者自身はe-Taxでいつも申請するのですが、被相続人である親の準確定申告ですので書面となりました。準確定申告での納付はありませんでした。国税庁の申告書等作成コーナーでは必要な数字を把握していれば問題なく作成できます。

医療費控除がある方は領収書は大切ですのですべて保管しておきましょう。

Step 5: 相続税の申告要否を判定する

相続税は、相続手続きの中で最も判断が難しい部分です。相続手続きを自分で進める人でも、ここだけは税理士に相談する例が多い工程です。まずは申告が必要かどうかを見極めます。

基礎控除の計算

相続税は、遺産の総額(債務・葬式費用を差し引き、一定の生前贈与を加えた課税価格)が基礎控除を超える場合にかかります。

基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

例:法定相続人が配偶者と子2人の計3人 → 3,000万円 + 600万円 × 3 = 4,800万円

課税価格がこの額以下なら、相続税の申告も納税も不要です。国税庁の「相続税の申告要否判定コーナー」で、財産額を入力して概算を確認できます。基礎控除の考え方は国税庁「相続税の計算」にも説明があります。

特例を使う場合は「税額ゼロでも申告が必要」

配偶者の税額軽減では、配偶者が取得した遺産は最低1億6,000万円まで相続税がかかりません。小規模宅地等の特例では、自宅の土地の評価額を最大80%減額できます。これらを使うと相続税がゼロになることがあります。ただし、いずれも申告することが適用の条件です。「特例を使えばゼロだから申告しなくてよい」わけではない点は、誤解が多いところです。

自分で申告できる範囲

財産が「自宅+預貯金」程度で、特例の適用もシンプルなら、申告書は自分でも作成できます。一方、土地の評価(不整形地・貸家建付地・広大地など)や非上場株式の評価が絡むと、評価額の算定で税額が大きく動くため、税理士に依頼したほうが安全です。

相続税の申告が必要となれば「確定申告書等作成コーナー」で作成してみましょう。

項目は多いのですが、この申告書は第9表から書き始めます。第1表はまとめになるからです。

順を追って書いていけば問題ありません。わからないところは調べて仕上げてみて税務署の相談コーナーで確認したらいいのです。

控除だけではなく加算も発生しますのでご注意ください。

控除の項目としては、亡くなった後のお寺への支払い・病院への支払い・葬儀社・火葬料・火葬場での飲食・未払固定資産税・未払不動産譲渡所得税・互助会清算額などがあります。

加算する項目としては亡くなった後で振り込まれる高額療養費や高額介護医療合算・保有株式の配当金・互助会積立金・死亡保険金の500万円✕法定相続人の控除を越える部分・「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない方の退職金で500万円✕法定相続人の控除を越える部分・介護施設からの解約返戻金など多岐にわたります。

筆者のケースでは納付・還付共にありませんでした。

Step 6: 相続したあとに発生する自分の確定申告

相続手続きが終わったあとも、相続した財産の内容によっては相続人自身の確定申告が毎年(または売却した年に)必要になります。内容がシンプルなら、これも自分で対応できます。ここまでできて相続手続きは一通り完了です。

相続した賃貸物件の家賃収入

賃貸物件を引き継ぐと、相続手続きが終わった翌年以降も毎年の申告が続きます。賃貸アパートや駐車場を相続した場合、相続した日以降の家賃収入は相続人の不動産所得になります。翌年の確定申告(原則3月15日まで)で申告します。青色申告をしたい場合は、相続した日からの期限内に「青色申告承認申請書」を提出する必要があります。この提出期限は通常と異なり、死亡日が1月1日〜8月31日なら死亡日から4か月以内です(国税庁「青色申告承認申請手続」)。

相続した不動産を売却したとき

相続した不動産を売って利益(譲渡所得)が出たら、売却した翌年に確定申告します。このとき、相続税の申告期限の翌日から3年以内に売却すると、「取得費加算の特例」が使えます。支払った相続税の一部を取得費に加算し、譲渡所得を圧縮できる制度です(国税庁「取得費加算の特例」)。

相続した空き家を売る場合の3,000万円の特別控除国税庁「空き家を売ったときの特例」。一定の要件あり)と合わせると、売却のタイミングは税負担に直結します。なお、この2つの特例は併用できません。譲渡所得は給与などと合算しない分離課税で計算します。課税方式の違いについては仮想通貨の税金対策の記事でも整理しています。

筆者の場合は親がなくなった後の最初の確定申告では不動産売却はまだしておりませんでしたので通常の確定申告を行いました。

税金の納付がある場合は、銀行口座から引き落とされる「振替納税」を選択したら良いと思います。口座を登録していることが前提になります。国税庁ホームページにて確認したらいいと思います。

相続不動産は3年以内売却の「空き家を売ったときの特例」を使い後日売却しました。厳密な適用条件と相続登記との兼ね合いで不適格判定もあり、よくよく確認して手続きを進めることが必要です。

相続手続きを自分でやるときに失敗しないためのコツ

相続手続きを自分で進めるうえで、つまずきやすいポイントと対策を挙げます。私が相続手続きで実際に手間取ったのもこの部分でした。

期限から逆算してスケジュールを組む

相続手続きで一番のリスクは、戸籍集めや遺産分割に時間がかかり、準確定申告(4か月)や相続税申告(10か月)の期限が迫ることです。最初に期限をカレンダーに書き込み、「戸籍は2か月目まで」「協議書は5か月目まで」と逆算します。

平日の日中に動ける時間をまとめて確保する

法務局・税務署・市区町村の窓口はいずれも平日日中のみです。半休を数回取る前提でスケジュールを組むと現実的です。窓口相談はほぼ予約制なので、電話で枠を押さえてから行きます。

わからないことは「作ってから」窓口で確認する

白紙の状態で相談に行くより、申請書や協議書のドラフトを作って持参し、赤入れしてもらうほうが話が早く進みます。

準確定申告と相続登記は同じ時期に作業が重なります。先に戸籍と法定相続情報一覧図を用意しておくと、両方で使い回せて楽になります。

「途中まで自分、難所だけ専門家」も選べる

すべてを丸投げする必要はありません。たとえば戸籍集めと遺産分割協議書までは自分でやり、相続登記の申請だけ司法書士に、相続税申告だけ税理士に頼む、という部分依頼ができます。依頼範囲が狭いほど報酬も下がります。

自分でやる場合と専門家に依頼する場合の比較

相続手続きを自分でやるか専門家に依頼するかは、費用と時間のバランスで決めます。

手続き自分でやる場合の負担専門家に依頼する場合(目安)
戸籍収集・法定相続情報一覧図窓口数回・実費のみ司法書士・行政書士の報酬が数万円〜
遺産分割協議書の作成ひな形をもとに作成可能司法書士・行政書士の報酬が数万円〜
相続登記登録免許税(評価額×0.4%)+書類代上記実費+報酬6〜10万円程度
準確定申告申告書+付表を作成税理士報酬が数万円程度
相続税申告財産が単純なら作成可能税理士報酬が遺産総額の0.5〜1%程度(相続金額が大きいと報酬は多額です)

※報酬額はあくまで一般的な相場観で、事務所や財産の内容により大きく変わります。正確な額は見積もりで確認してください。

自分でやる場合のデメリットもあります。平日日中に窓口へ複数回足を運ぶ必要があること、書類の不備で補正ややり直しが発生しうること、判断を誤っても気づきにくいことです。とくに相続税の申告は、土地評価や特例の適用を誤ると納税額が大きく変わります。少しでも不安があれば、その部分だけでも税理士に確認してください。

費用だけを見ると自分でやるメリットは大きいです。ただし、平日に動く時間が取れない、相続人間の調整に不安がある、相続税がかかる、といった場合は、時間と安心を買う意味で依頼する価値があります。

よくある質問(FAQ)

相続手続きを自分で全部やると、費用は合計いくらくらいですか?相続手続きを自分で行う場合を考えます。不動産1〜2件・相続人が少人数のシンプルなケースなら、戸籍・住民票・評価証明書などの発行手数料は数千円です。これに相続登記の登録免許税(評価額の0.4%)が加わります。評価額2,000万円なら登録免許税は8万円程度で、他はほぼ実費のみです。相続税がかからなければ、税理士費用は不要です。
相続登記を自分でやるのはどのくらい難しいですか?相続登記は相続手続きの中でも自分で対応しやすい部類です。不動産の数が少なく、遺産分割協議がまとまっていれば、法務局のひな形と窓口相談を使って自分で申請できます。難しくなるのは、不動産が多い・共有や持分がある・被相続人の名義でない(先代名義のまま)土地がある、といったケースで、この場合は司法書士に依頼したほうが安全です。
相続登記をしないまま放置するとどうなりますか? 2024年4月から相続登記は義務化されており、取得を知った日から3年以内に申請しないと、正当な理由がない限り10万円以下の過料の対象になります。それ以前の相続で未登記のものも、2027年3月31日までに登記が必要です。すぐに遺産分割がまとまらない場合は、「相続人申告登記」を期限内に行えば、いったん義務を果たしたことになります。
準確定申告をしないとどうなりますか?納税が必要なのに期限(4か月)内に申告しないと、無申告加算税や延滞税がかかります。逆に、源泉徴収で納めすぎている場合は準確定申告をしないと還付を受けられません。被相続人に事業所得・不動産所得・一定額以上の年金があった場合は、必要かどうかを税務署に確認してください。
相続税がかからない場合でも、税務署に何か届け出は必要ですか?課税価格が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)以下で、かつ特例を使わずに非課税になるなら、相続税の申告も届け出も不要です。ただし、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を使って税額をゼロにする場合は、10か月以内の申告が特例適用の条件になります。
途中まで自分でやって、難しいところだけ専門家に頼むことはできますか?できます。相続手続きは手続き単位で分けられます。戸籍収集と遺産分割協議書までは自分で行い、相続登記だけ司法書士、相続税申告だけ税理士、というように依頼先を分けられます。依頼範囲が狭いほど報酬も抑えられます。まず自分で着手し、詰まった段階で相談するのも一つの進め方です。
平日に法務局や税務署へ行けない場合はどうすればいいですか?相続手続きを自分で進める場合でも、窓口へ行かずに済ませられる部分はあります。相続登記は郵送申請やオンライン申請(登記・供託オンライン申請システム)に対応しています。準確定申告・所得税の確定申告はe-Taxで自宅から提出できます。ただし初めての相続登記は、一度は窓口で書類一式を確認してもらうと補正の手間を減らせます。半休を数回取る前提でスケジュールを組むのが現実的です。

まとめ

相続手続きは範囲が広く見えますが、次のように整理すると自分でできる部分が見えてきます。相続手続きを丸ごと難しく捉えず、手続きごとに分けて考えるのがコツです。

  • 期限を最初に押さえる:相続放棄3か月・準確定申告4か月・相続税10か月・相続登記3年
  • Step 1〜2:戸籍収集(広域交付)→法定相続情報一覧図→財産目録→遺産分割協議書。ここは実費のみで自分でできる
  • Step 3:相続登記は「固定資産税の評価額×0.4%」の登録免許税が主な費用。ひな形+窓口相談で申請可能
  • Step 4〜5:準確定申告の要否と、相続税の基礎控除超えの有無を判定。特例で税額ゼロでも申告が要る点に注意
  • Step 6:相続した賃貸収入・売却益は相続人自身の確定申告へ。売却は「取得費加算の特例」の3年以内が有利

一方で、相続人間の対立、多数の不動産、複雑な土地・株式評価、相続税がかかる可能性が高いケースでは、部分的にでも司法書士・税理士・弁護士に依頼したほうが安全です。相続手続きは「全部自分で」か「全部丸投げ」かの二択ではなく、手続き単位で切り分けるのが現実的な進め方です。

一次情報の参照先

制度の内容と最新の期限は、次の一次情報で確認してください。

※本記事は筆者が実際に相続手続きを行った経験と公的機関の公表情報をもとにした一般的な解説であり、個別の税務・法務上の結論を保証するものではありません。具体的な判断は専門家にご相談ください。

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