【用語解説】サイバーレジリエンス

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サイバーレジリエンス(Cyber Resilience)

サイバーレジリエンス(Cyber Resilience)は、組織や個人がサイバー攻撃やサイバー脅威に対して耐性を持ち、迅速に回復し、適切な対策を講じる能力を指します。レジリエンスには「復元力」や「弾力性」などの意味があり、既に発生してしまったサイバーインシデントの影響を最大限に抑え、元の状態に戻すか、またそこからセキュリティ対策を向上させるまでの対応能力や手法を意味します。

昨今のサイバー攻撃の多様化と高度化に伴い、攻撃を未然に全て防ぐことは難しく、攻撃により侵害された際にいかに迅速に、影響を抑えて対策を講じるかということに焦点を当てる必要があり、近年注目を集めるセキュリティの考え方の一つです。

サイバーレジリエンスを導入した企業の対応例を見てみましょう。

実例: ランサムウェア攻撃へのサイバーレジリエンス

シナリオ: ある大手企業がランサムウェア攻撃に遭遇し、機密データが暗号化されました。攻撃者は身代金を要求しましたが、組織は以下の方法でサイバーレジリエンスを発揮しました。

  1. データバックアップ: 組織は定期的なデータバックアップ戦略を実施していました。攻撃発生時、重要なデータのコピーがオフサイトまたはオフラインで保管されていました。
  2. 災害復旧プラン: 組繾織は事前に災害復旧プランを策定しており、ランサムウェア攻撃発生時、このプランを実行しました。プランにはデータの復元手順が含まれています。
  3. セキュリティ対策の強化: 組織はセキュリティ対策を強化し、同様の攻撃を未然に防ぐための対策を講じました。これにはセキュリティソフトウェアの更新、脆弱性スキャン、ユーザー教育が含まれています。
  4. コミュニケーションと協力: 組織は攻撃発生時に内部および外部の関係者とのコミュニケーションを確立しました。これにはセキュリティチーム、法執行機関、およびサイバーセキュリティ専門家が含まれます。

結果: 組織はサイバーレジリエンスの原則を活用して、ランサムウェア攻撃からの迅速な回復と復旧を実現しました。データのバックアップと災害復旧プランの存在、セキュリティの強化、協力体制の確立が攻撃の被害を最小限に抑え、組織のビジネス継続性を確保しました。

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