ビールをいただこう~麦芽とホップと水の歴史を訪ねて世界を巡る~Budvar(ブドバー)を飲む

世界一のビール消費大国チェコの麦酒を味わう~Pilsner Urquellやognaオクトーバーフェストと飲み比べる

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Budvarビールとは~バドワイザーとは違うチェコの老舗

ビールと言えばドイツを思い浮かべる方も多いだろう。
実はチェコは一人当たりでは世界一のビール消費大国である。
Budvarビールはチェコのブドワイゼル地方ブデヨビツキで作られたビールになる。
有名な米国アンハイザー・ブッシュ社のバドワイザーもチェコのブドワイゼル地方の地名の英語読みから来ている。
米国では商標権を巡る訴訟が起こり、米国と米国領はバドワイザーの商標が認められ、それ以外の地域では認められない、と双方が合意している。
しかしバドワイザーが先に商標登録している世界各地で訴訟は起こっており、チェコのビール会社側が有利な状況である。
日本でも先に商標登録していたアンハイザー・ブッシュ社がブデヨビツキ・ブドバー(Budvar)の商標使用差し止めの訴訟を起こしたが敗訴している。

用語を整理しよう~ラガーにエール、ピルスナーって?

ビールにも様々な用語が使われときに混乱する。
日本酒でも大吟醸と純米吟醸と本醸造、いったいどれがいいのか混乱するように、最低限の用語は押さえておきたい。
(純米大吟醸と純米吟醸なら序列ははっきりするが本醸造は純米酒と別のカテゴリー)

ラガー・・・下面発酵、低温発酵酵母、スッキリした味わい
エール・・・上面発酵、常温発酵酵母、芳醇な味

麦 芽・・・モルト、大麦の種子を発芽させたもの、ビールやウイスキーの原料
ホップ・・・アサ科の植物、ビールの苦味と香りを作る
ピルスナー・・地名、ピルスナービールはピルスナー地方で作られたとかタイプのとして使われる(下面発酵)
クラフトビール・・地ビール、小規模ビール醸造所のビール
スタウトビール・・ローストした大麦使用、エール(上面発酵)、香りが強い
ペールエール・・イギリス発祥のペール(淡い)色のエール(上面発酵)ビール
IPA・・・インディア・ペールエール、中程度以上のアルコール度数を持つペールエールの一種
アンバーエール・・アメリカ西海岸で生まれたアンバー(琥珀色)色のビール
ドラフトビール・・樽出しビール、熱処理していないビールを指す場合も

この程度でシンプルにいきたい。
これである程度混乱から開放されるのでは。
それではスタートしよう。

参考にIBU苦味 ABVアルコール度数 SRMビールの色の濃さ ピルスナーのSRM4~6黒ビール30以上

まずはピルスナーウルケルを飲んでみた~日本のビールでは味わえない癖になる苦味

チェコのピルゼン地方プレゼニ州で作られているピルスナーウルケルはチェコで最も知名度の高いビールであり、独特の苦味と芳醇な味わいはかなりパンチが効いて個性的。ほのかなカラメルの香りで淡い黄金色。缶と瓶は全く別物なので是非瓶で!
1842年ピルゼンの醸造所で作って以来175年以上チェコの食材を同じレシピで作っている。
1842年と同じ味がすると思うと感慨深い。

ピルスナー・ウルケル醸造所 
ピルスナー・ウルケル 
ラガー(下面発酵) 麦芽100%ビール 
トリプルコンディクション(麦芽を3度糖化する製法)で作られておりカラメルの香りの所以
ザーツホップとモラブィアンモルトにヨーロッパでは珍しい軟水の地下水はBudvarと同じ
味わいはBudvarと全く違いあとから来る苦味が癖になる
330ml Alc.4.4% IBU(苦味)40

ogna~日本に寄り道~南信州クラフトビールを飲んでみる

濃い黄金色で味は甘みを感じる。苦味はない。喉越しではなく舌で味わうビール
このビールを味わいたいなら香りが鼻に抜けて邪魔をしてしまうピーナッツやアーモンドではなくピスタチオが相性が良いと思う。
プレミアムなウイスキー樽で熟成させたものもあり、美味しいが毎日飲めるような手軽さはない。
土地柄水も良いのだと思う。

南信州ビール 
ogna オクトーバーフェスト 
ラガー(下面発酵) 
エール酵母 4種の麦芽使用の麦芽100%
330ml Alc.6.0% IBU(苦味)18.1

いよいよBudvarをいただく~最高のビールだ!

このBudvarは極めてスッキリしており雑味を感じさせない、ウルケルと同じピルスナーでもかなり違う。チェコ南ボヘミア州の国営醸造所で作られていて水が良い地域だと聞く。
原材料はピルスナー・ウルケルと同じでも、製法が違うと全く対象的な仕上がりに。
香りも非常に淡く、かすかにホップが香る。
麦芽100%ビールだがアサヒスーパードライやキリンラガーのスターチを入れスッキリ飲ませるビールよりスッキリしているのが凄い。
食事やつまみの邪魔を全くせず引き立ててくれる。常備して通常飲み中心に据えたいビール。
それほど喉にすっと入ってくる。
一口飲めば旨さが分かるビールだと思う。

原産国チェコ共和国 国営醸造所 
ブデヨビツキ ブドバー 
ラガー(下面発酵) 麦芽100%ビール
地下300メートルから組み上げる良質な天然水(ヨーロッパでは珍しい軟水)とモラヴィアンモルト、世界最高級ホップ ザーツホップから生まれる。醸造所は700年の伝統を持つ。
330ml Alc.5.0% IBU(苦味)22

因みに、アサヒスーパードライは麦芽70%でスターチの割合を増やしスッキリした味わいにしている。IBU(苦味)16
キリンラガー 原材料 麦芽、ホップ、米、コーン、スターチ IBU(苦味)25

エンゲル・ボックは幻になってしまった~昔飲んだあの味が忘れられない

エンゲルボックという陶器の瓶に詰められてスイングトップ式の蓋のビールに以前ハマったことがある。
日本のビールとは全く違う芳醇にして甘みがあり香りも際っていた。
いつしか見当たらなくなり気になっていたが、少し前に調べたら既に終売と
理由は分からないがもう作っていない可能性もあり、非常に残念に思っていた。
同じ製法で似た商品がないかと思いつき調べてみた。

ボック・・・ドイツアインベルク発祥の下面発酵のビール。アルコール度数高めで6.0%以上
特徴は濃い麦汁をふんだんに使うアルコール度数の高さとローストした麦芽。

同じボックでも様々な製法があり、商品も輸入されていることを知った。
ボックビールを巡る記事も是非書きたいと思っている。

賞味期限:1998年11原材料名:大麦、麦芽、ホップ、天然水アルコール分:7.5%
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