オーディオへの誘い~カートリッジの楽しみ方 (1)DENON DL-103でJazzを聴く

アナログレコードを聴く。多様なオーディオ機器の世界。

アナログの世界は本当に手間がかかる。しかしその手間暇が愛おしくなる。
音の世界は厄介で一筋縄では立ち行かない。
追求したいがし過ぎると、音楽を楽しむ本来の目的が分からなくなる。
それでも覗いてみたくなるオーディオの世界へいざないたい

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システム

カートリッジ: DENON MC型カートリッジ DL-103・・・レコードの溝に刻まれた音を電気信号に替え拾っていく針。
ヘッドシェル:fidelity-research・・・カートリッジを保持しトーンアームと結合する持ち手。
トーンアーム: FR(フィデリティ・リサーチ) FR64fx・・・カートリッジをホールドし正確にトレースする継手。
ターンテーブル: LUXMAN PD-444・・・レコードを安定的に回転させる台。
プリアンプ: Accuphase C200L・・・音量や音色を調整する入り口のアンプ。パワーアンプと一体のインテグレーテッドアンプが一般的。
パワーアンプ: DENON POA3000ZR・・・音を増幅して出力するアンプ。

上記システムで現在も販売されているものはカートリッジのみです。

アナログレコードを聴く

試聴レコード: TIME OUT デイヴ・ブルーベック・カルテット 
       Jazz

1950年代の録音。
非常に鮮明で厚みのある音。特に低音はしびれる。
ステレオ特有の定位がはっきり分かる明確な音で、どこで楽器を演奏しているか立ち位置まで分かる。
(そういう意味ではステレオはモノラルであり各々の定位置からモノラルで聞こえてくることになる。)
CDのない時代の録音であり、加工されていない音はくっきりとして濃密。
ほとんどの人が聞き覚えのあるテイクファイブは淡い音が、刻むリズムに増幅される。

Dave Brubeck デイブブルーベック / Time Out (アナログレコード / DOL) 【LP】

レコードメンテナンス

アナログレコードは針が溝をトレースするので静電気を帯び埃が付着する。
試聴前にaudio technica AT6018a レコードクリーナー湿式部分でレコードの回転方向にひと拭きし、乾式部分でもうひと拭き。一つで2役の優れもの。
レコード針も刷毛で掃除。神経質になる必要はないが、あまり怠ると針とレコードの溝の摩擦熱で埃が固着する。
針で溝をなぞるレコードの構造上LPは摩耗から逃れられないが、通常の使用頻度であまり気にする必要はない。

カートリッヂについて

DENON DL-103は非常に優秀で素晴らしい音が鳴る。
針の交換も可能な現行機種である。
MC型カートリッジなので昇圧トランスが必要。
アンプに機能がなければ機器を揃えなければならない。

カートリッジを変えれば違う音色に大きく変わる。
カートリッジを複数所有する楽しみはそこにある。

ortofon MC-Q10、MC-Q20はぜひ聴いてみたい。
後述するトーンアームも相性の良いSMEのロングアームに装着して。

昇圧トランスが不要なMM型カートリッジも良い音のものがたくさんある。
今は終売だがピッカリングのMI(MM)型カートリッヂは素晴らしかったと聞く。

エラック(ドイツ)は元々はカートリッジのメーカーだった。
中古でしか手に入らないが455E(MM型)も素晴らしい。

エンパイア1000ZEX(MM型)も1970年代の名機である。
スタントン681EEE(MI型)も忘れてはならない。

トーンアームについて

試聴はFR64fxダイナミックバランス型。
針の加圧方式がバネである関係上、インサイドへの力が強く働くのでインサイドフォースキャンセラーがついている。これが音に悪影響を与えるので針を落としたあとインサイドフォースキャンセラーを外す人もいる。しかしそうすると少しの振動で針が飛ぶリスクが出てくるし、そこまで神経質にならなくても良い音が出ている。
アナログならではの悩ましい問題。

トーンアームについても加圧方式はスタティックバランス型もある。アームの長さもロングアームにショートアームもあり、カートリッジをトーンアームに装着するためのヘッドシェルの相性など組み合わせは様々である。
組み合わせが変われば音も変化する。
とても多様でたどり着かない世界。

レコードvsCD問題について

CDは周波数範囲が20~20,000Hzと決まっている。
そしてサンプリング周波数なのでアナログの波の波形のような音の連続性はない。
アナログプレーヤーは高級カートリッジを使えば10~50,000Hzまでの情報が拾われてくる。
そのままの音で溝にカッティングするレコードはきちんと再生すれば素晴らしい音が出てくる。

しかしCDのデジタル高品質の音と取り扱いのしやすさは手放せない。
一方で宇多田ヒカルが今までのアルバムをLPで再発売している様に、欧米で再びレコード需要が高まってきている。宇多田ヒカルの180g重量盤のクォリティも素晴らしく、LPジャケットも美しい。

アナログのとても面倒な世界と折り合いをつけられるなら、レコードで過去のアーティストや様々なジャンルの音楽を聴いてみたいという心は素敵だと思う。

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スピーカー問題

イヤホン全盛時代なのかもしれない。
音楽はみなダウンロードやストリーミングになり、サブスクで多くの音楽が聴けるようになった。
テレビもますます薄型になりスピーカーは格納スペースがなく平凡な音のスピーカーしか装備できない。
メーカーが様々な音響方式を提案したりサウンドバーで聞いたりしても満足感が充足されただろうか。
無意識にストレスが蓄積されていくように思える。
一度テレビの光出力端子からアンプとスピーカーを接続して良質な音を聞いてほしい。
テレビ放送の音質は結構高品質だ。
きっと世界が変わる。
デジタルになり全てが薄型やコンパクトになった。
世の中から良質な音の出口であるスピーカーの音が必然的に駆逐されてきたように思う。
自然なアナログの音は精神を落ち着かせてくれる。
是非お願いしたい。良質なスピーカーで聴く機会を少しでも増やしてほしいと思う。
きっと何かが変わるだろう。

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