ボックビールの記憶に迫る~アッサム・ボックはドライだった~ビールをいただこう

エンゲル・ボックの記憶を元にボックビールを追いかける!

30年前に飲んだエンゲル・ボックの味が忘れられず「ビールをいただこう」のシリーズの中で探しながら飲んだボックビールはアイスボックのEku28とドッペルボックの長期熟成サミクラウス・クラシックという超個性的なビールたちです。

大型スーパーのお酒の専門店のビール売り場を覗いているとボックビールが置いてあるではないですか。Asam Bockの裏面のラベルにはドッペルボックとありました。早速購入し試飲です。

ドッペルとはダブル(二重)という意味でモルトの濃さが際立つビールです。アイスボックのEku28はビールにしてIBU(苦味)がN/Aというほぼ無しの甘さ際立つビールでした。サミクラウス・クラシックはAlc.14.0%~15.0%というとんでもない高さの上、瓶内10年熟成で5年経過が飲み頃という超個性派。ただ、30年前のエンゲルボックの濃厚にして爽やかな感じではなかったのです。

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Asam Bock

スペック

醸造所:ヴェルテンブルグ修道院醸造所 (南ドイツのケールハイム)
アッサム・ボック Asam Bock
タイプ:ラガー(下面発酵)
スタイル:ドッペルボック
麦芽:ロースト麦芽、カラメル麦芽、ドゥンクレス(濃色)麦芽をブレンド
ホップ:パール種
500ml Alc.7.5%
IBU(苦味):24
EBC(色の濃さ):90 当ブログの採用している表記に換算すると、SRM:45.7

※SRM=EBC×0.508で、SRMはアメリカ醸造化学者学会が定めた光の透過度で数値が低いほど淡い色
EBCはヨーロッパ醸造学会の定めたもの

情報

ヴェルテンブルグ修道院醸造所・・・西暦1050年頃から醸造を始めた現存の修道院醸造所としては最古のブランドの一つです。

Asam Bockは発行前の麦汁濃度18度以上に設定しています。ただ、Eku28の発酵前麦汁濃度は28度ととんでもない数値を叩き出しているボックビールもあるのです。

ボックビールには下面発酵も上面発酵もあります。上面発酵といえばエールビールですね。

IBUはビールの苦味成分の指標ですが、おなじみのビールでいうと一番搾り21スーパドライ16などです。苦味といえば何と言ってもIPAビール(インディア・ペール・エールビール)でしょうか。アメリカというイメージなのですが発祥はイギリス。アメリカンスタイルIPAは派生なのですね。IPAのIBUの数値は50~100です。

ビールの色の濃さの数値指標SRMですが、ギネスのスタウトでSRM35です。このAsam Bockの公表数値はEBC90とされているので、SRWに換算すると45.7です。なかなかの数値です。

感想

飲むとカラメルの味がはっきりと鼻に抜けます。ビールの香り自体は非常にほのかで強くはありません。苦味はあるけれど飲み慣れた日本のビールよりやや強い程度。ボックビール特有の濃厚さは感じるものの強い濃厚さではなく、甘みも感じます。表現するなら切れのある濃厚さでハード&ドライなボックビールと言うところでしょうか。

ただやはり、あのエンゲルボックの濃厚にして爽やかな記憶とは違うのです。

Engel Bock

終売となっているので、ネットで分かる範囲をまとめてみました。

スペック

醸造所:クライルスハイマー・エンゲルブロイ
エンゲル・ボック Engel Bock
タイプ:下面発酵
スタイル:ボック・・・チェコのピルスナータイプより比重がかなり重く麦芽が濃く溶け込んでいる
麦芽:バーレーモルト
ホップ:苦味の効いたホップ使用
ml Alc.6.8%
IBU(苦味):充分な苦味
SRM:茶褐色

記憶

爽やかだけと濃厚な味わい、モルト(麦芽)のコクとフルーティーな甘味で素晴らしい味が印象的。キレもあって後味が良かった。それまで日本のビールしか飲んだことがなかったので喉越しではない濃厚で味わえるビールは衝撃でした。

エンゲルボックの味わいを求める旅はまだ続きます。

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